珊瑚というとなかなか「宝石」としてのイメージができないという人もいるかもしれませんが、珊瑚は歴史的にはれっきとした宝石の1つとして知られてきました。
日本でも、3月の誕生石として知られているなど、昔から親しまれてきました。
この記事では、そんなサンゴの特徴や石言葉などについて解説していきたいと思います!
サンゴの基本データ
鉱物名 (英語) | サンゴ (Coral)、コーラル |
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別名、略称 | – |
主な産地 | マレーシア、地中海、アフリカ周辺、西インド諸島、オーストラリアなど |
主な色 | 赤、黒、金など様々 |
構造 | 三方晶系、非晶質、斜方晶系 |
硬度 | 3.5 |
比重 | 2.6 ~ 2.7 |
屈折率 | 1.49 ~ 1.66 |
光沢 | 不透明 |
岩石の成分 | CaCO3 / コンキオリン |
サンゴ(コーラル)の名前の由来
Coral という語は、古代ギリシャ語のサンゴを表す「korallion」に由来していると言われています。
また珊瑚は漢字では「珊瑚」と書きます。
「珊」という漢字は、海に住む生物の骨がたくさん集まってできた石という意味があります。
そして、「瑚」という漢字は、「祭の時に麦や稲を載せる器」という意味があります。
この二つを合わせて珊瑚という字を使っていたそうです。
このことからも、古代から日本においてサンゴが宝石として重宝されていたことがわかりますね。
豆知識ですが、毎年3月5日はサンゴの日として正式に認定されているそうです。
サンゴの性質
サンゴにおいて、覚えておきたい性質は、以下のようなものがあります。
- 珊瑚はサンゴ虫の骨?
- だんだんと光沢が失われる
1. 珊瑚はサンゴ虫の骨格
サンゴというと、ワカメなどの海藻が固まったものというイメージを持たれる人が多いような気がしますが、実はそうではありません。
サンゴというのは、実はそれ自体が動物で、クラゲやイソギンチャクの仲間というのが正確な認識です。
そのサンゴの個体の骨格に当たるのが、私たちが普段イメージするサンゴです。サンゴの本体(?) はあのサンゴの骨格の上に群れを作っていて、海を流れてくるプランクトンなどを食べて生きています。
このサンゴが長い年月をかけて自分たちの骨格を大きくさせたものが、私たちが普段目にする「サンゴ礁」です。
最近ニュースなどでよく目にする「サンゴの白化現象」というのは、海水温の上昇などによってサンゴの骨格からサンゴ自身が抜け出てしまうことを言います。
このため、土台となるサンゴの白い骨格がむき出しになってしまうのです。
2. だんだんと光沢が失われる
珊瑚は加工する前は全く艶がありませんが、磨くと光沢を放ち始めます。この光沢が際立って美しいものが、宝石として認められます。
この光沢は、しかし、身につけていると次第に失われていきます。弱酸性にも弱いので、人間の汗などでも色あせてしまいます。
なので、取り扱いには注意が必要です。
サンゴの色あせは不幸の兆し?
昔の人たちは、サンゴの色が変わることを「不幸の印」や「不健康の恐れ」と読んできました。
もしあなたのサンゴの色が褪せてきたら… 注意してみてください!
サンゴの石言葉
珊瑚の石言葉として有名なのは、以下のようなものです。
- 成長
- 長寿
- 聡明
- 幸福
長い年月をかけて成長してきた証としての珊瑚は、持ち主の “ゆっくりと、でも確実な成長” をイメージさせます。
また、もともとは生物であったことから、生命の神秘的なエネルギーを感じる人も多いようです。
ギリシャ神話の珊瑚
珊瑚は西洋でも昔から知られていた宝石の一つで、神話などにも頻繁に登場します。
一番有名なエピソードは、ギリシャ神話の以下のような一説です。
その昔、「メデューサ」という怪物がいました。
メデューサは見たものを石にしてしまうと言われていたので、誰も退治することができませんでした。
そこで、立ち上がったのがギリシャ神話の英雄、ペルセウスです。彼は鏡を使ってメデューサの位置を探り、不死身殺しの剣で首を切りました。
その時、滴り落ちた血が海に垂れて、赤いサンゴができました。
このような言い伝えがあるため、西洋では赤い珊瑚は魔除けのお守りとしても使われていました。
パワーストーンとしてのサンゴ
パワーストーンとしてのサンゴには、以下のような暗示があると言われています。
- 赤ちゃんが欲しい・妊娠したい
- 長寿でいたい
- 体力・気力が欲しい
特筆すべきは、「妊娠」のイメージです。
なぜこのイメージがついたのかは諸説ありますが、「珊瑚は月と深い関わりがあり、月は妊娠を司るダイアナに結びつくから」という説や、「珊瑚は卵をたくさん海に放出するから」などのsつが有力とされています。
また、生き物の暗示からは、そのパワーやエネルギーを受け取ることができると感じる人も多いようです。
東洋では不老長寿の石としても知られていて、健康のお守りとして身につけていたという歴史もあるそうです。