1月の誕生石として知られているガーネットですが、実はこのガーネットという宝石はいくつかの種類が集まってできていることを知っていますか?
この記事では、そんなガーネットの種類や鉱物としての特徴から、パワーストーンとしての意味などについても詳しく紹介していきたいと思います!
目次
ガーネットの基本データ
ガーネットは実は鉱石グループの名前です。なので、基本データは全部に共通するものを乗せておくに留めます。
鉱物名 (英語) | ガーネット (garnet) |
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別名、略称 | 柘榴石(ざくろ石) |
主な産地 | – |
主な色 | 赤、黄、褐色、緑、黒など |
構造 | 立方晶系 |
硬度 | 6.5 ~ 7.5 |
比重 | 3.1 ~ 4.3 |
屈折率 | – |
光沢 | ガラス光沢 |
岩石の成分 | – |
より詳しい定義としては、一般式A3B2(SiO4)3、AはCa(カルシウム)、Fe2+(鉄イオン)、Mg(マグネシウム)、Mn2+(マンガン)、BはAl(アルミニウム)、Cr(クロム)、Fe3+(鉄イオン)、Mn3+(マンガンイオン)、Si(シリコン)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Zr(亜鉛)で表される珪酸塩鉱物のことを言います。
ガーネットの名前の由来
もともと、”種” を意味するラテン語の「granatus」が、時代を経るにつれて柘榴(ざくろ)という意味になりました。
これは、柘榴が種をたくさんつける品種だったからだとされています。
この柘榴に似た石の色を持っていて、しかも丸い状態でたくさん見つかることが多いことから、ガーネットと名付けられました。
和名の柘榴石という名前も、このことが元になって名付けられました。
ガーネットの性質
ガーネットの性質の中で覚えておきたいことは一つだけで、「いくつもの種類がある石」ということです。
- いくつもの種類のある石
ここからは、ガーネットの中のいろんな種類の石を個別にみていきたいと思います。
アルマンディン (鉄ばんざくろ石)
ガーネットグループに属していて、ガーネットの中で最もよく産出する鉱物の一つです。赤色を示しますが、ピンクやスミレ色を帯びることもあります。
不透明に近いものもありますが、透明なものは他のガーネットよりも強い赤を示すので、人気も高いです。
広い範囲で産出し、場所によっては5kg を優に超える結晶が得られたりもします。
アンドラダイト (灰鉄ざくろ石)
色の異なる変種が数種類あります。
その中でも黄緑色やエメラルドグリーンを示す変種であるデマントイドはアンドラダイトの中でも最も珍重されます。
黒色以外の石はどれもダイヤモンドよりも高い光の分散を示すため、見事な宝石になります。
グロッシュラー (灰ばんざくろ石)
一般に、グースベリー(西洋すぐり)のような澄んだ淡い緑を示します。名前もグーズベリーを意味するラテン語の grossularia が語源です。
白やクリーム、ピンク、橙、黄色などを示すこともあります。
広い範囲で産出しますが、宝石質の石はすくないとされています。
ヘッソナイトやピンクグロッシュラーなど、グロッシュラーの変種で人気な宝石もたくさんあります。
パイロープ (苦ばんざくろ石)
ガーネットグループに属し、マグネシウムとアルミニウムを含む珪酸塩鉱物です。
他のガーネットと違って、天然に産出するパイロープは全て赤色を示し、名前も「火」と「目」を意味するギリシャ語のpyr と ops に由来します。
成分火によって深い赤色から菫赤色、ローズレッドなど変化します。
スペサルティン (満ばんざくろ石)
ガーネットグループに属し、マンガンとアルミニウムを含む珪酸塩鉱物です。
名前はドイツのシュペッサルト(という森の名前)に由来します。
純粋なスペサルティンは珍しく、多くの場合はアルマンディンを含みます。
宝石質の石は少なく、装身具としてではなく収集家向けにカットされることも多い石です。
ウバロバイト
ウバロバイトは、カルシウムとクロムを含む珪酸塩鉱物です。
宝石となるガーネットの中ではもっとも産出量が少なく、希少とされています。
多くは12面体の結晶で得られますが、小さすぎてカットを刻めません。十分大きな結晶は滅多に産出しないため、ファセットの刻まれたものは収集家に大変人気となっています。
ウロバイトの名前はロシアの貴族で有名なアマチュア鉱物収集家 セルゲイ・ウヴァーオフにちなんで1832年に名付けられました。
このように、一口にガーネットといっても様々な種類があります。
日本で一般にガーネットといえば、アルマンディンのことを指していると思っていいですが、購入の際には確認しておくといいでしょう。
また、ガーネットの性質として高い硬度を誇ります。そのため、研磨剤などに使用されることがあります。
ガーネットの石言葉
ガーネットの石言葉は、以下のようなものが代表的です。
- 真実
- 友愛
- 忠実
- 勝利
ガーネットは努力と向上など、とにかくポジティブなイメージを持つ石です。
ルビーなどと比べると、赤が深く、黒い印象が強いです。そのため、炎というよりも血や絆など少し強めの印象があります。
実際に、中世のヨーロッパではガーネットは「一族の血の結晶」として代々受け継がれてきたという伝承があります。
また、十字軍のお守りとしても知られていて、そのあたりから「忠実」などのイメージが出てきたのではないでしょうか?
パワーストーンとしてのガーネット
パワーストーンとしてのガーネットは、以下のような暗示を持ちます。
- 絆を高めたい・愛を深めたい
- 多産になりたい
- 直感力・洞察力を磨きたい
- 勝利を望む
友愛の印としてガーネットを送るという習慣は昔からあり、今でも卒業時のカレッジリングとしてガーネットが選ばれることがあります。
また、ガーネットは多産の象徴としても扱われます。これはガーネットがというよりもザクロがギリシャ神話において多産と豊穣の象徴だったからと言えるでしょう。
洞察力などを高めるとされているのは、ノアの箱舟で灯として使われていたことなどから、ガーネットが「先を照らす」石としても受け取られていたことがわかります。