パールと並んで6月の誕生石であるムーンストーンは、「愛」や「恋」など幸福のイメージの強い宝石です。
祝い事の贈り物や記念日のプレゼントには最適ですね。
この記事では、そんなムーンストーンのサイドストーリーからパワーストーンの暗示や石言葉などについて詳しく紹介していきたいと思います。
目次
ムーンストーンの基本データ
鉱物名 (英語) | ムーンストーン (Moonstone) |
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別名、略称 | 月長石 (げっちょうせき) |
主な産地 | スリランカ、インド、ミャンマーなど主に東南アジア |
主な色 | 青、白、桃色などさまざま |
構造 | 単斜晶系 |
硬度 | 6 |
比重 | 2.56 ~ 2.59 |
屈折率 | 1.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
岩石の成分 | K(AlSi3O8) |
ムーンストーンの名前の由来
ムーンストーンとは、その名の通り「月の石」です。名前も、この石が月明かりのように白く輝くことから名付けられました。
あとで紹介しますが、この神々しい光はシラーと呼ばれていて、信仰の対象になったりもしていたそうです。
また、日本語の月長石は長石という鉱物の種類と、月を合わせた呼び方です。
長石とは単斜構造を持つ鉱物の呼び方で、結晶の底の面に対して90度の角度で割れる性質を持ちます。
ムーンストーンのサイドストーリー
ムーンストーンは紀元前1世紀ごろにはすでに宝石として重宝されてきた石で、そのため多くのサイドストーリーや伝説・言い伝えなどを持っています。
シラー効果という独特な性質を持つ
月のパワーを宿す石
1. シラー効果という独特な性質を持つ
ムーンストーンの鉱物としての一番の特徴は、なんといっても「シラー効果」と呼ばれる変色効果です。
難しいことは置いておいて、みてもらうとわかりやすいと思ったので、今回はYoutube で動画を見つけてきました。
Youtube で「シラー効果」と検索すると色々出てくるのですが、一番 “それっぽい” 例です。
これでも少しわかりにくいですが、これがシラー効果です。
シラー効果
シラー効果とは、宝石の表面でメタリックな、虹色が現れる光学効果のことです。
「シラー」とは、ドイツ語できらめきを意味するSchillerからきています。
このシラー効果を表す代表的な鉱石が、ムーンストーンなのです。宝石の光沢の中でも珍しいもので、美しいシラー効果があるムーンストーンは非常に高い値段で取引されます。
2. 月のパワーを宿す石
ムーンストーンの2つ目の特徴は、”月のパワーを宿す” として昔から信仰を集めていたことです。
その歴史は古く、紀元前の1世紀ごろにはすでに宝石として価値を認められていました。
また、世界のどの国や地域でも良いイメージのある宝石でもあり、場所によって様々な伝承が伝わっています。
インド:聖なる力を受ける、作物がよく実る
ヨーロッパ:旅人を守ってくれる
フランス:未来を見通すことができる
ムーンストーンの宝石言葉
ムーンストーンの石言葉は、以下の通りです。
- 恋の予感
- 純粋な恋
- 永遠の愛
石言葉としては、恋に関する言葉が圧倒的に多いです。というのも、ムーンストーンは中世のヨーロッパにおいて恋人への送りものだったからです。
また、ムーンストーンには、いわゆる「縁結び」のご利益もあるとされていて、昔から気になる異性へこっそりとプレゼントしたり、その思いを石に込めたりすると恋が叶うとしれてきました。
そのため、恋愛に関しては右に出るものはいないというほどの石なので、片思いの異性がいる人や付き合っている人への贈り物としてはぴったりでしょう。
ムーンストーンは6月の誕生石です。
6月は英語でJune ですが、これはローマ神話の女神 ユノからきているとされています。このユノは恋愛や結婚、出産・育児などの象徴とされています。
恋愛に関する言い伝えがたくさんあるムーンストーンがぴったりではないでしょうか?
パワーストーンとしてのムーンストーン
パワーストーンとしてのムーンストーンは、たくさんの暗示があります。先ほど紹介した恋愛系をはじめ、色によっても様々あるので、代表的なものを紹介していきます。
- 未来を見る・相手を見透かす
- 女性らしくなる
- 悪霊を祓う
- 旅人を守ってくれる
未来を見る・相手を見透かす
古来、フランスではムーンストーンを口に含むと、未来をみることができるとされていました。
特に、石の力が強まる満月の夜には、将来を完全に見通す力を与えてくれるとされていました。
そのため、ムーンストーンには今でも未来を見るチカラがあるとされています。
ムーンストーンはそこまで大きな石ではないので、誤って飲み込んでしまう可能性が高いです。
口に近づけたり接吻したりするだけで十分なので、実際に口に入れないようにしてください。
女性らしくなる
ヨーロッパでは、月といえば昔から「女性性」を示す象徴でした。月の女神であるセレーネ (ギリシャ神話ではルナ)は絶世の美女として有名なので、そのイメージもうまく取り込んでいる気がします。
月の名を冠するムーンストーンは、その代表といってもいいでしょう。
なので、持っているだけで女性としての魅力を高めてくれ、愛をもたらすと言われています。
悪霊を祓う
月の光というのは、昔から聖なる光として信じられてきました。
そのため、月の石には悪霊を取り去る力があると言われています。実際、日本やヨーロッパでも月の光でバケモノが姿を現したりすることは多いですよね。
また、月の光は神話では知恵を現しているので、ムーンストーンは持ち主を明晰にする石というイメージもあります。
旅人を守ってくれる
悪霊を祓うことから転じて、旅人を守るという意味もあります。
昔は暗かったので、夜道を照らす月明かりは大切なものだったのでしょう。
今でも交通安全のような「旅行安全」にプレゼントされることもあります。