真珠 (パール) は「日本人が一番身につけている宝石」と呼ばれるほど私たちの生活に密着しています。
また、6月の誕生石なので愛着のある石だという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、真珠の色や性質から、パワーストーンとしての言葉・意味などについて紹介していきたいと思います。
パールの基本データ
鉱物名 (英語) | 真珠 (Pearl) |
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別名、略称 | 月のしずく、人魚の涙 |
主な産地 | 種類によって異なる |
主な色 | 乳白色を基調として、黄、ピンク、オレンジなど |
構造 | 斜方晶系 |
硬度 | 2.5 ~ 4.5 |
比重 | 2.6 ~ 2.8 |
屈折率 | 1.5 ~ 1.6 |
光沢 | 真珠光沢 |
岩石の成分 | 主に炭酸カルシウム (CaCO3) |
パールの名前の由来
パールはラテン語で「貝」を意味する “perna” が転じて “pearl” になったという説が有力です。他にも、同じくラテン語の洋梨を意味する “perla” がもとになったという説もあります。
パールの性質
パールの性質として有名なものは、以下の3つです。
- 柔らかく、加工しやすい
- 天然真珠と養殖真珠がある
- 人間の歴史と深く関わってきた
1. 真珠は柔らかく加工しやすい
真珠の硬度は2.5 ~ 4.5 と宝石の中では最も柔らかい部類なので、加工がしやすいという特徴があります。
このため、古くから宝石や装飾品としての価値を認められ、王族や貴族が所有したがったり、呪術目的に使用されてきました。
豆知識:真珠のでき方
軟体動物には、貝殻成分を分泌する細胞がある外套膜という層があります。この分泌細胞が体を守るために、異物の周りに作る同心円状の層を作ります。
この層が幾重にもなって大きくなったものが真珠となります。
真珠は柔らかいので、大変キズがつきやすくなっています。保管には気をつけるようにしましょう。
また、主成分が炭酸カルシウムなので、汗が付いたままにすると表面が劣化してしまうなど大変デリケートな宝石です。
取り扱いには十分注意してください。
2. 真珠には様々な種類がある
真珠はご存知の通り、貝から採取されます。このため、その貝の種類や生息地によっていくつかの種類に分かれることになります。
南洋真珠:白蝶貝から採取された真珠。オーストラリアやフィリピンなどで生産される
黒蝶真珠 (黒真珠):黒蝶貝から採られる。タヒチが主な生産地
マベ真珠:マベ貝から採取される。主に香港やインドネシアなど
コンクパール:巻貝であるピンク貝から採取される。ほとんどが天然ものであルため、貴重。
また、現在流通している真珠のほとんどは養殖真珠とされています。養殖の真珠は天然の真珠と成分、構造は全く変わりません。
天然真珠が見つかる確率は数千個のうちに1つ程度とされていて、養殖が盛んになるまでは天然真珠は大きな価値がありました。
今では人工の真珠が増えてきたので、逆に天然モノの価値が高まってきているといえます。
3. 人間の歴史と深く関わってきた
真珠は貝がある海岸沿いの地域であれば基本的にはどこでも発見できるので、古くから人類に知られる宝石の一つでした。
そのため、人間との関わりの歴史は古く、エジプトでは紀元前3000 以上前から知られていたとされています。
日本も古くから真珠の産地として知られていて、今でも冠婚葬祭に着用できることもあって真珠の人気は絶大です。
有名な話ですが、クレオパトラは自らの財の総量を誇るために、「酢を入れた器に真珠を入れ、溶かして飲んだ」という逸話があります。
実際、真珠は 10% 程度の酢酸溶液 に溶けるらしいのですが、本当にそんなことをしたかどうかは定かではありません。
パールの石言葉
- 健康
- 富
- 長寿
- 清潔
- 素直
真珠は日本では “薬” としても使用されていますが、実は漢方でも真珠は薬剤扱いをされています。
このため、真珠には長寿や健康などのイメージがぴったりです。
また、他の鉱石と違って産出量がそれほど多くないので、富の象徴ともされてきました。一時はお金の代わりもしていたんだとか。
パワーストーンとしてのパール
パワーストーンとしてのパールには次のような側面があります。
- 積極的になりたい
- 内側から生命力を高めたい
- お守りが欲しい
- 厄災から身を守りたい
貝の内側で生成される真珠は、昔から「貝の生命エネルギーを蓄えたもの」や「海の力を集めたもの」、「月の光を溜めた石」など様々に解釈されてきました。
いずれにせよ、内部に海や生命の力を蓄えた石という意味が強く、持ち主にもそのパワーを授けてくれるとされています。
また、何年もかけて徐々に大きくなっていく様から、粘り強さや抵抗力を感じる人もいるようです。